カニを解凍したら黒色に! 黒変と呼ばれるこの現象の原因は? 食べることは出来るの?
カニを解凍して、ある程度時間が経った後にウキウキ気分でカニを見ると……
ドス黒い……もはや食べ物の色ではないカニになっていて驚きと共にガッカリした経験はありませんか?
これは所謂【黒変】と言う現象が起きているのですが、この現象が起きてしまったカニは食べることが出来るのか?
また未然に防ぐことが出来たのか?
今回はそんな黒変について、詳しくお伝えしていきたいと思います!
カニの【黒変】
カニの殻や身の部分が黒くなってしまう現象のことを【黒変】と呼ぶのですが、こちらは何も対応をしなければ絶対に起きてしまう避けては通れない現象です。
簡単に言いますと、カニの身に多く含まれるたんぱく質が酸化してしまうことで黒く変色してしまうんですよね!
たんぱく質は酵素によって分解されていき、アミノ酸へと変わっていきます。
その分解されたアミノ酸の中には私達人間の敵とも言える顔などの “シミ” の原因ともなる「メラニン」も含まれています。
そのメラニンの元にもなる「チロシン」が酸化酵素のチロシナーゼの作用によって酸化され、メラニン色素が出来てしまい黒くなってしまうといった流れです。
先日私もカニを食べようと解凍していたら、こんな感じに変色しました!
こちらは生のズワイ蟹の肩肉の部分ですが、解凍してすぐの時点では至って普通の状態でした。
しかし食べるまでの3-4時間、冷蔵庫に入れていたら……
黒く変色……
あっ、同一の肩肉じゃなくてすいません(涙)
同じ袋の中にあったコチラの肩肉が変色しちゃったもんで……(笑)
上から見るとまあそこまで黒くはないんじゃない? と思うかもしれませんが……
はい、もう確実に黒変が進んでしまっています。
こんな感じで解凍した後(身も溶けて食べられるような状態)、長い時間放置すればするほど、黒く変色した部分は勢力を拡大していきます!
この変色は35-40℃の間が、一番活性が働く温度帯とされているので、常温などで放っておいたらホントすぐに変色してしまいます!
まあここまでは何となくお分かり頂けたと思いますが、やはり気になるのは「食べられるの?」「何か防ぎようはあるの?」ってことだと思います。
今回はこの辺りを重点的をお伝えしたいと思います!
ちなみにですが、今回はカニの黒変のことを触れていますが、カニやエビなどの甲殻類であれば、何でも黒変しちゃいますのでその辺りは頭に入れておいて下さいね♪
黒変したカニは食べられるの?
食べ物とは思えないような黒い色をしたものですので、食べる気が失せてしまいますが……
答えを言いますと、「問題なく食べることが出来ます!」
黒く変色した原因であるメラニンはただ色を黒く変化させてしまっただけなので、食べても何ら問題はありません。
しかしこの黒い部分は水で洗ったりするだけで取れるような簡単なものではありません。
なので、もしカニクリームコロッケを作ったのならば、真っ白い濃厚なクリームの中に突然黒い物体が現れるワケですよ(笑)
まあ事情を知っている身内で食べるならまだしも、人様にはちょっとお出し出来ないですよね……
要は気分の問題ってことですね♪
黒変は防ぐことが出来るの?
これは商品としてカニを買った時点では、もう私達には防ぐことは出来ません。
出来ることとすれば、解凍後はなるべく早く食べるってことだけです!
やはり時間が経てば経つほど、黒変してしまうリスクは高まってしまうので、理想としては8割方解凍して後は食べながら自然に解凍出来るのを待つって感じです。
しかしここで疑問が出てくると思います。
「全く同じように扱っても黒変するものと、しないものがあるのは何で?」
はい、私の先程の肩肉も別の物が黒変してしまい、初めに撮った物は一切黒変しなかったんですよね。
この辺りの謎も詳しくお伝えしていきます。
黒変を防止する添加物がある
先程「カニを買った時点で、もう私達にはどうにも出来ない。」とお伝えしましたが、カニを加工する段階では防ぐものがあるんですよね!
BL-7sってやつです!
こちらは書かれている通り、カニの黒変を防止する専用の添加物となっています。
こちらを水で薄め、カニの製品を浸しているんですよね。
そうすることで黒変を防止することが出来ます。
なので、カニの製品の原材料とかを見てみますと、【PH調整剤】とかが書かれていると思います。
PH調整剤については、また細かい話しになってしまうので、今回は割愛させて頂きます。
こんな感じで既に生産時点でそもそも黒変しないようになっているってお話です♪
でもこちらも進化を遂げていて添加物を含まない、ビタミンCを主成分としたタイプとかも出てきているので、本当に気になる方は購入されたお店に聞いてみた方がいいと思います!
でも黒変するカニがいるけど?
私が撮影した肩肉にも【PH調整剤】を使用していると書かれていたので、変色しないようになっているハズなのですが、1-2割位変色してしまいました。
これも不思議ですよね?
これは私は2つの理由があると思っています。
1つ目は……
引用:北海道立総合研究機構 水産研究本部 中央水産試験場 加工利用部 データ
赤枠の①【水揚げ後時間が経過してからの抑制処理は、効果が小さい】と言う箇所です。
水揚げしてから時間が経ち、鮮度が落ちてきたカニには効果が薄くなってしまうんですよね。
カニって何日もの漁に出て、ある程度数量がまとまってから加工をすることが多いので、加工をする段階で全てのカニの鮮度が全く一緒ってことはないんですよね。
なので同じ会社が同じ日に同じ工程で加工を行ったとしても、黒変するものとしないものが出てきてしまうんです!
次に私が考える理由は……
【液体が万遍なくカニに行き渡っていない可能性】です。
先程の添加物を溶かした液体にカニを漬け込んでいくのですが……
少量であれば丁寧に確認することも出来ますが、カニを加工する会社はとんでもない量を取り扱いますからね。
なのでカニが重なり合ったりしているとその部分に液体が行き渡らず、同じ商品の中でも変色するものとしないものが出てくる場合があるんです。
まあこんな感じで添加物を使っていたとしても、中には黒変してしまうカニが出てきてしまうってワケですね!
ボイルしたカニでも変色するの?
【カニ 黒変】で調べますと、他にも色々な方が説明されていると思いますが、かなりのサイトで「黒変するのは生のカニだけ!」と見かけます。
しかしですね~、私はそんなことないと思うんですよね……
確かに60-70℃になりますと、たんぱく質が熱変性を受けて活性が止まるので、理屈上は黒変しなくはなるんです!
まあボイルと言うと100℃に近い温度で行うので、この時点で黒変することはなくなります。
でも実際ボイルしたカニでもエビでも、どうしても黒変ってしちゃうんですよね~(涙)
確かに生のカニの方が圧倒的に黒変する場合が多いですが、ボイルのカニでも起きることはあるので、その辺りも頭の片隅にでも……
まとめ
- 黒変したカニは問題なく食べることが出来る
- 黒変させない為には極力早く食べきる
- 加工の段階で黒変を防ぐ添加物がある
- ボイルしたカニでも黒変はする(実体験)
いかがでしたでしょうか?
初めは黒変したも食べれるのか? 防ぐ方法はあるのか?
この2点だけを書こうと思っていたのですが、「これも書きたいな!」「アレも書きたいな!」なんて調子で書いていったら、まあまあ長くなってしまいました(笑)
カニなんて年に何回も食べるものではないと思うので、せっかくならば見た目も美味しく食べて頂きたいですからね♪
こちらを参考に是非美味しいカニを食べて下さいね~!
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