牡蠣が縮んでしまう理由って何? 実際に試して分かった縮まない方法とは?

冬になると食べたくなるプリップリで大ぶりな牡蠣!

鍋に入れたり、牡蠣フライとしても必ず食べたくなってしまいますよね♪

しかしご家庭で調理をする際、誰しもが通るであろう悲しき体験。

「あんなに大きかった牡蠣が無残な程小さい牡蠣に……」

今回はそんな悲しい経験とはおさらばするべく、牡蠣の縮む理由や縮ませないための方法に迫ってみたいと思います!

 

牡蠣が縮んでしまう理由

牡蠣が縮んでしまう理由としては2つあります。

①浸透圧

中学生か高校生の頃に習っていたと言う噂の “浸透圧” ですね(私は本当に教えてもらってましたか? 笑)

何となくのイメージで理解している人間が偉そうにお伝えするのはお恥ずかしいので「浸透圧 わかりやすく」とグーグル先生に尋ねてみました(笑)

私が最も分かり易かった回答はこちら。

【超分かり易く】浸透圧とは、2種類の濃度が違う水が隣り合わせにあったら、濃度を一定に保とうとして水分が移動する力のことです。

細かく説明】半透膜という、小さな分子は通すけど大きな分子は通さない膜があります。この膜で水分が区切られているとき、濃度に差があると、濃度を一定にしようと、膜を通れる小さい分子である水は、濃い方に移動します。この濃度を一定に保つための移動のことを浸透といい、浸透する力のことを浸透圧といいます。

引用:レバウェル看護HP

海水は約3%程度の塩分を含んでいますので、海産物の体液は淡水の塩分濃度以上、海水の塩分濃度未満になっています。

なのでそれ以上の塩水に漬け込めば体内から水分が抜け、真水に漬け込めば体内に水分を取り込んでしまうのです。

こういったことから、塩分が入っているキムチ鍋などに牡蠣を入れたら、何をどうしても縮まってしまうんですよね……

②加熱のし過ぎ

これは説明する程の事でもないと思いますが、単純に加熱をすることによって水分が抜けてしまうヤツですね!

こちらは牡蠣などの海産物だけに限らず、お肉やなんでもかんでもに言えることですね。

牡蠣の成分量を調べますと、可食部100gあたりの水分量がナント85g!

キュウリの水分量は97%と言う事実が未だに納得出来ない私が言うのも何ですが、これだけ含まれていれば多分減っちゃうんでしょう……多分(笑)

プロの料理人は【牡蠣の身がキュッと縮みかけた瞬間】に熱入れをやめるそうですが、あたったりする牡蠣でそれはリスキー過ぎますよね。

 

実際に自分で試してみる

ネットで調べてみますと、大体が下記3つの方法を紹介していますよね?

  1. 3-4%程度の塩水で牡蠣を洗う(軽く揉み込む)
  2. 料理酒で洗う(軽く揉み込む・漬け込む)
  3. 片栗粉でコーティングする

ほぼ1番と3番だと思いますが、中には2番の料理酒で洗うなんてのもありました。

私もこれらの方法が正しいと思って、その時々で実践をしてきたワケですが……

ふと思ったんですよ、「どれが本当に縮まないの?」って……

なので自分自身で実際に試してどの方法が一番オススメなのかを探っていきたいと思います。

今回実験をするにあたりまして……

上記の2番ですが、どちらかと言うと旨味を吸い込ませると言った側面が強く、尚且つ料理酒って100gあたりの食塩相当量が何気に2.3gあるんですよね。

今回味的な問題ではなく“縮む” 部分に焦点をあてたく、そこからすると2番の料理酒は1番で事足りてしまうんですよね。

なので1番の塩水で洗う・3番の片栗粉でコーティング・そしてそれらの比較として何も処理をしないものの3種類で行って参りたいと思います!

 

牡蠣を縮ませない方法

では早速行っていきましょう!

今回使用していくのは広島県産の冷凍牡蠣2Lサイズです!

本当であれば各1kgずつ位で行っていきたいのですが、それをしてしまうと廃棄せざるを得ず……

ってことで私が無理して食べられる牡蠣が10個と踏んだので、それで行っていきましょう(雲行きが怪しいなんて言わないで~ 笑)

更に更に、3パターンに分けて実験をしていきますので、それぞれ3個ずつで行っていきます(笑)

①何もしない牡蠣 3粒で94g

②4%の塩水で洗って少し漬け込む牡蠣 3粒で92g

③片栗粉をまぶしてコーティングする牡蠣 3粒で95g

こちらの3パターンをまず解凍していきます!

この時点で個体差がかなりありそうですが、まあとりあえず行っていきましょう!

解凍については、こちらもネットで……

①水であれば1分ほど洗い流し常温で放置する

②ぬるま湯であれば30秒程洗い流し放置する

そして「全て解凍してしまうと旨味が抜けてしまうので、中心が凍っている程度まで解凍しましょう!」とか書かれているんですが……

これがまず無理。

実際行ってみるとお分かり頂けるんですが、中心部分もそうですが、何より牡蠣の周りを覆っているグレーズと呼ばれる氷の膜を溶かすのが難しいですよね。

中心は解凍出来たけど、周りはまだ氷の膜があるみたいな……

まあなのであんまり解凍しないってことを意識しながら雰囲気で行っていきましょう(笑)

解凍して時点でも計量していきます。

①69g

②67g

③75g

①冷凍時94g→解凍時69g(73.4%)

②冷凍時92g→解凍時67g(72.8%)

③冷凍時95g→解凍時75g(78.9%)

こちらにつきましては、ホント個体差の要素が大きく、またグレーズ(氷の膜)も1粒1粒均一ではないため、結構ブレてしまいます。

なので解凍時の重量を基準に実験を行っていきたいと思います。

2番は……

4%の海水で……

周りに黒いカスみたいな物が沈んでいますが、海水で牡蠣を洗うのはこういった汚れを取り除く意味もあったりします!

3番は……

片栗粉でコーティングします。

これで準備は整いましたので、早速ボイルしていきましょう!

ボイルに関してはどれも1分30秒で統一しました。

そしてそれぞれ運命の計量タイム……

まずは1番。

44g!

お次に2番……

39g!

最後は3番……

47g!

※写真がボケててすいません。

①解凍時69g→44g(63.7%)

②解凍時67g→39g(58.2%)

③解凍時75g→47g(62.6%)

「おいっ、ネットの情報ウソじゃねーか!」

「プロが伝授! って、牡蠣のプロって何だよ!」

って、言いたくなる程の衝撃の結果ですね。

“何にもしないのが一番縮まない”

……。

まあとは言っても正直個体差による部分がかなり大きいと思うのでね……

あと3粒ずつと言う、学会には発表出来ないしょうもない実験なのでね……(笑)

でも一応こういった結果もあるんだよ! って位に受け止めて頂ければ幸いです♪

 

実はボツになった1度目の実験もあった

噂を信じちゃいけないよ~♪

ってな衝撃の実験結果ではありましたが、実はこの実験をする前に同様の実験を以前に行っていたんですよね。

今回は3パターンありましたが、ボツになった時の実験は【4%の塩水で洗う・揉み込む】【何もしない】の2パターンで行っていました。

そしてボツ時は10粒ずつで行っていたんですよね(20粒食べられなかった過去があったので9粒にした経緯があります 笑)

①何もしない牡蠣 241g(解凍時)

②4%の塩水で洗う・揉み込む牡蠣 242g(解凍時)

こちらを同様にボイルしていきましてね……

ちょっと多めだったので、この時はどちらも2分ずつボイルをしています。

そしてボイル後がこちら!

まあ個体差はあるものの、全体的には見た目では分からない感じですね。

実は前回の実験をボツにした理由がこちらにあるんですが……

ちょっと “ヤケた牡蠣” を使用していたのですが、思ったよりも “ヤケ” ていて、見た目が悪かったんですよね……

所々オレンジ色っぽくなっているのが “ヤケ” と呼ばれる部分ですね!

まあ通常のものと “ヤケ” の牡蠣を比較したら比較対象にならないと思うのですが、どちらも “ヤケ” なので、そこまで結果に影響はないと思うので、参考程度に……

そして重量を計測していきます!

①何も処理をしていない牡蠣 177g

②4%の塩水で洗う・揉み込んだ牡蠣 163g

①解凍時241g→177g(73.4%)

②解凍時242g→163g(67.3%)

もうね、ネットで偉そうに語ってる人程、ネットで調べた事をそのまんま書いてるだけだと思うんですよね……

2回実験して2回とも何にもしない方が縮まねぇ~じゃね~か!!

まあね、これも先ほどと同様に、個体差の部分も大きいですし、10粒と少量なのですがね……

あと、解凍時の計量も実際解凍をすればする程、牡蠣自体の液が溢れてくるので、どっちも同じ条件だったかと言えば言い切れない所もあるんですが……

でも2回やってこの結果であれば、多少私のことを信用して頂いてもいいんじゃないでしょうか?(笑)

 

実験を終えて……

結果的に2回の実験を終えて、牡蠣が縮まない方法は……

“何にもしなくて良し”

と、言う結果になりました(笑)

信じるか信じないかは貴方次第……ってな感じですが、最後に私が思ったことを。

  1. 確かに浸透圧の要素はあるが、数分漬け込んだりする程度ではほぼ変わりはないと思う。
  2. ネットで “プロ直伝” とか言ってる人は一体誰なの?
  3. 研究レベルで言えば違いが出てくると思うが、家庭レベルでは気にすることではない。
  4. 味自体は片栗粉でコーティングでしたものが一番美味しかった。

以上、こんな所です♪

ボツ実験の解凍時→ボイル時が70%位で、3パターンの解凍時→ボイル時が60%ちょっとと言うことも含め、かなり個体差に左右されることは間違いないです。

※どちらの実験時も同じ袋のものから行っています。

水揚げされる時期によっても確実に変わってきますからね。

まあ素人が行っている実験なので、これが全てとは絶対に言い切れませんが、少しは参考になれば幸いでございます!

 

 

 

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