加熱しても開かない貝があるのは何で? ハマグリ・ホンビノス貝で理由をお伝えします【動画あり】
酒蒸しが美味しい【ハマグリ】や【ホンビノス貝】などの2枚貝!
スーパーで生きた貝を買ってきて調理をすると、いくら熱を通しても開かない貝がありますよね?
今回はそんな時にどう対処したらいいのか? またそもそも貝がどうやって開くのか?
その辺りをお伝えしていこうと思います!
目次
ハマグリ・ホンビノス貝などの2枚貝が開く理由
今回は千葉県で水揚げのあるハマグリとホンビノス貝で説明していきたいと思います。
こちらが千葉県九十九里浜で水揚げのあるハマグリ!
そしてこちらがホンビノス貝!
2つを並べて比較していきます。
そしてこちらを開きますと……
こんな感じになっています。
上記写真では少し分かりにくいかもしれませんが、下の写真の赤い丸で囲った部分に秘密があります。
こちらの赤い丸で囲った部分が貝柱と呼ばれ、ここは上下の殻を開け閉めする役割も持っています。
正確には後閉殻筋・前閉殻筋と言う名前なのですが、こちらが殻から外れてしまうとパッカリ開く状態になるんですよね!
ではどうやったら貝柱が殻から外れるのか?
それはもう皆様もお分かりだと思いますが、一番簡単なのは加熱することです!
BBQなどの網焼きで熱されていくと「パッカーン♪」と勢いよく開くアレですね♪
ここで私が実際に撮った、パッカーン動画がありますので、ご覧になって下さい!
これはですね、私が必死こいて撮影した動画なんですよ!
敢えて言わせて頂きますと、この動画はこの綺麗なパッカーンを撮るためにかなりの時間とハマグリを要しました……
なので私にとってみたら、かなり愛着のある動画です(笑)
まあどうでもいい余談はさておき、下から熱されているので下側の貝柱が熱に耐えきれず貝柱を殻から外してしまったと言うことです。
ハマグリ全体も熱されていますが、まだ上側の貝柱は熱さの限界まで到達していないので、上は付いたままになっています。
通常は開いたら、下の殻にたまっているハマグリの出汁を一旦お皿に移して、ひっくり返して反対側も焼いて最後にお皿に移した出汁を戻して食べると言った感じになります。
他にもこんな感じで貝柱を物理的に切り落としていくといった方法もありますが、こちらは中々難しいので加熱して開かせると言った方法がシンプルですね♪
ハマグリとホンビノス貝の違いをもっと知りたい方はこちら↓
開かない貝は死んでいるの?
ここまではある程度分かっていたと思いますが、一番知りたいことは……
「加熱しても開かない貝があるけど、あれは死んでいるの? 食べられるの?」
って、ことだと思います。
こちらはサイズによっても違いがありますが、3-4分も加熱すれば大体の貝は開いてくると思います。
しかし冒頭のこういった100g前後の大きなサイズですと、もう少し時間がかかってきます。
またホンビノス貝に至っては、生命力が強いせいか開くまで更に時間がかかってしまいます。
こちらも冒頭の写真ですが、貝柱がホンビノス貝の方が面積が広いですよね?
これはどちらも重量自体はほぼ同じサイズのホンビノス貝とハマグリですが、貝柱には違いがあります。
なのでホンビノス貝が開くまでは、ハマグリより1.5倍位の時間がかかると思っていて下さい!
しかーしっ!!! それでも開かない貝が絶対に出てくるんですよ!
でもですね、いくらやっても開かないからって全てが死んでいるとは限りません。
この場合、3つのパターンが考えられます。
それぞれのパターンと対処方法をお伝えしていきます!
パターン①メチャクチャ精神力が強い。いやっ、強すぎる。
私の経験談として一番多いのが、このパターン!
もう貝はアッツアツのマグマ状態(それは言い過ぎ)なのに、貝柱が踏ん張って耐え忍んでいるんでしょうね。
ハマグリについてはまあまあ綺麗に全部が開いてくれるイメージですが、このパターンで多いのは確実にホンビノス貝!
貝柱も太く、生命力も強いので、根性があるんでしょうね(もう今の時代人間相手でも根性論を語れば嫌われてしまいますが……笑)
同じお鍋の中で8割程度は5-8分で開いたのに、20分位経ってから開いたホンビノス貝を見たことがありますから!
時間をかければ開くやつが多いと思いますが、貝類は火を通せば通す程、身が硬くなってしまうのでそんなに時間をかけて開いてもらっても……
そんなモヤモヤ感はありますが、まずはこの基本パターンを覚えておいて下さい。
パターン②貝柱は剥がれているけど、上下の殻同士がビッタリ真空状態になっている
次に多いのがこのパターンですね。
結果的には中の貝柱は剥がれていたんだけど、貝が真空状態のようになってビッタリくっ付いているやつです。
これは私はどういったことが起きているのか、具体的には説明が出来ないのですが……
10分位経過して開かない貝があれば、一度殻と殻の間にナイフなどを入れて隙間を開けてみて下さい。
※貝は形状的に安定はしないので、こちらを行う際は軍手などを装着して行って下さい
少しでも隙間が空きますと、急にパカッと開く場合があります!
ですので、他の貝と比べて中々開かない場合はこちらを試してみて下さい!
パターン③THEバクダン
【バクダン】とは所謂業界用語で「死んでしまった貝の中に砂だけが詰まっている状態」のことを言います。
貝類は死んでしまいますと、身が溶けていったり、他の生物に食べられたりして最終的には中身がなくなっていってしまうのですが、そこに砂が詰まってしまう場合があるんですよね。
それでも多くの場合は上下の殻同士も分解されて海岸に落ちている片面だけの貝殻だけの状態になってしまいますが、こちらも不思議なもので殻同士がビッタリとくっ付いていながら、中には砂がビッチリと詰まっている時があります。
こちらは漁師さんや出荷業者が選別を行う際に気付いたりすることもあるのですが、極々稀にビッタリとくっ付いていて、中が砂だけで普通のものと全く見分けがつかないやつがいるんですよ。
運悪くこのパターンに当たってしまいますと……
「中々開かないな~」
「②のパターンで殻の間にナイフを刺してみよ~」
「ぬわー、真っ黒な砂だらけ……」
「そして大事に作っていた料理の中に砂が落ちる」
「泣く泣く料理を捨てる」
こんなパターンがあります。
なので、パターン①でも書いた通り、火が通り過ぎると身が硬くなってしまいますので、こういった中々開かないパターンのやつは「運が悪かった」と思って諦めるのが良いかな~とは思います。
死んだ貝とはどう区別するの?
お伝えの通りなのですが、貝が開かないと言っても基本的にはパターン①②③が多いので、死んでいることはあまりないように思います。
こちらも極々稀に②や③のパターンで開いてみたら中身が腐っていたって言う場合があります。
その場合は既に死んでしまっているので、猛烈な悪臭がします。
こちらも③と同様に料理を廃棄することになると思います。
では死んでいる貝はどうやって見分けるのか?
それは上下の貝がくっ付いておらず、カスタネットのようにパカパカしてしまっている状態です。
※見て目だけでは貝が口が開いているようにパカッと開いたこんな状態です。(こちらは道具を使って開けている時の写真なので、見た目だけの参考程度に……)
貝類は弱っていきますと、上下の殻が開いていき最終的には悪臭を放つようになっていきます。
開いている貝を見つけた場合は手で押して殻を閉じて、殻がちゃんと閉じるようだったら、まだ食べても大丈夫です。
しかし押しても貝自身が閉じず、パカパカしてしまっているようだったら死んでしまっているので、廃棄して下さい!
なので、焼いても開かないからと言っても死んでいるものは比較的少なく逆に強すぎることが多いように思います。
死んでしまっているものは、熱を通す前からパカパカしていたり、異臭がしますので、調理の前に確認しておきましょう!
まとめ
- 貝が開くか開かないかは貝柱が肝
- 加熱しても違いがあるのは個体差が大きい
- 開かない貝は弱いのではなく、逆に強いことの方が多い
- 中々開かない貝は諦めて捨てるのが無難
いかがでしたでしょうか?
加熱しても貝が開かなった場合、かなりの確率で死んでいると思っている方がいらっしゃると思いますが、本当に死んでしまっていることはあまり多くないように思います。
しかし本文中でも触れているように、開くまで加熱をして開いたとしても火の通し過ぎで身が硬くなってしまうので、本来の美味しさは損なわれてしまいます。
そういったことから、中々開かない場合は潔く諦めて美味しいうちに貝を堪能することが一番なように思います!
でも原因を知っているのと知らないのでは大違いですので、この記事が何か参考になれば幸いです♪